KOTOBA

(登壇順)

川村 怜

ブラインドサッカー日本代表
音を待つのではなく自ら探す。
トラップは次のプレーに移行するための動作の1つ。
マイナスにボールを運んで、
DFを遠ざける。
足音は大きなヒント。

中野 崇

スポーツトレーナー/理学療法士
1単語に対する共有情報を増やす。
想定外を想定内にして脳の疲労を抑える。
力に対抗せず、逃して対処する。
「いなし」は相手のパワーを無効化する。
聴こうとすると頭が前に傾き、姿勢が崩れる。
そうなると、聴けるけど動けない。
良くないところばかり指摘していては
良い感覚は育たない。
体力=容量×省エネ性×回復力
言語化することは
情報の伝達速度を速めること。
言語化されていないものは認識されにくい。
認識できてはじめて再現できる。
「正しい」は
「誰にとって」か
で変わる。
文化・ライフスタイルによって
「得意な動き」は変わる。
高速移動が得意な「高重心系」
安定が得意な「低重心系」。
トレーニングで最も重要なのは
「何をやるか」よりも
「誰がやるか」。
「呼吸」も技術。

小野 真由美

ホッケー 北京・リオデジャネイロ五輪日本代表
スティックの重さが5グラム変わると、感覚もバランスポイントも変わる。
パスの基本は「プッシュ」。ボールを「打つ」のではなく「押す」。
正しいフォームはない。
足りないことを分析し、必要なことをクリエイトしていくしかない。
ミスをした選手を怒るのは間違い。
指導者の役目は選択肢を与えること。
誰もが楽しみ、生活になくてはならないものになる。
それがスポーツの理想の形。

和田 賢一

ビーチフラッグス 全日本選手権3連覇
足の速さは才能ではない。
自転車は転ぶ、水泳は沈む、だから気付く。
でも、間違った走り方をしていても
何も起こらないから気付かない。
フォームの改善点を各単体で改善しようとしても
走りは改善されない。
持続的に走るRUNと
短い距離を全力疾走するSPRINTは
そもそも走りが異なる。
足の接地時間を短くするために
一方の足が接地した時
もう一方がすでに追い越しそうな状態を作る。
「もも上げ」を意識するのは間違いのもと。
走りは「円運動」。
足首の関節を固定し
かかとをつけずに地面を蹴ることで
伸張反射=バネが使える。

増淵 まり子

ソフトボール シドニー五輪銀メダル
ソフトボールのピッチングは
「下から」投げるのではなく「下で」投げる。
投球動作の基本は
下ろす、上げる、下ろす。
「腕を大きく回せ」は大きな間違い。
腕は「回している」のではなく「回っている」だけ。
横向きの状態は自ら「つくる」ものではなく
正しい動きの中で自然に「つくられている」。
球種によって手のひらの向きが変わる。
手のひらはボールを曲げたい方向に向く。

辻 茜

ピラティス マスタートレーナー
ピラティスは自分の身体を
自分でコントロールするための学習。
ヨガは腹式呼吸、
ピラティスは胸式呼吸。
ピラティスは静止のポーズではなく
動きの過程に意味がある。
脳を使って考えることを覚える。
ピラティスは
「身体の使い方マニュアル」。

伊藤 剛臣

ラグビー 元日本代表(代表キャップ62)
どれほど才能があっても
タックルができない選手は
チームを勝利に導くことはできない。
スクラムの基本姿勢は
タックルにも通じる。
ラグビーのタックルは
かいなを返して肩に拳を作る。
タックルに入る時
必ずワンステップ入れて
同じ足と肩で当たる。
タックルしたら終わりじゃない。
すぐに立ち上がって次のプレーに行く。
ラグビーは響き合いのスポーツ。
味方のプレーに感動し
それが勝利への原動力となる。

山口 美咲

競泳 北京・リオデジャネイロ五輪日本代表
競泳は、先に壁にタッチした者が勝ち。
「水感」を高めることで
より多くの水を後ろに追いやる。
硬水は重い。
軟水を泳ぐのと疲労が違う。
肋骨を意識して、間隔を広げる。
100分の1秒の争いは
指関節一つ分の争い。
全力だからこそ、特別な絆が生まれる。

戸塚 啓

スポーツライター
サッカー日本代表を伝える時
〇か×を示すのがジャーナリストの役目。
スポーツライターとして
読んでもらうために空気を読む。
見る、聞くは当たり前。
取材では匂いを嗅ぎ、味を感じる。
形容詞を置き去りにしない。
便利だからこそ、かみくだく。
Jリーグが誕生し
サッカー場に「責任」が生まれた。
一定の水準から
「落ちない」ことは評価に値する。

芦田 創

パラ陸上(T47クラス) 走り幅跳び日本記録保持者
ハンディキャップは
頑張っても乗り越えられない。
できないことを素直に認め、
できるようになるには
どうすればいいかを考える。
助走は「速く走る」よりも
いかに地面を「強く押す」か。
重心の真下に足を落とすには
空き缶を踏みつぶすイメージで。
踏み切りで重要なのは2歩手前。
タッ、タッ、タッ、タッ、
ターン、タ、ドーーーーン。
「勝ち」を追求していく中で
「価値」は生まれる。

YO

フリースタイルフットボーラー
一見「できっこない」と思う離れ業も
コツを覚えれば案外できる。
できることを証明すれば
すぐにそれは当たり前になる。
わかりやすく伝えるのはもちろん
いかに目からウロコを落とすか。
テクニックの言語化で重要なのは
「できるかも」という明快さ。
スポーツを言語化することで
最速で楽しめるレベルまで持っていく。
伝える相手によって
言語化の方向性は変わる。

水鳥 寿思

(公財)日本体操協会男子強化本部長/代表監督
過去の成功体験に頼っていても
うまくいくとは限らない。
強いチームの秘訣は
各々が役割を果たし、自立すること。
体操はルールが頻繁に変わるからこそ
変化に対応できる基礎が重要となる。
指導者は自分の「こうしたい」を
消さなければならない時もある。
コミュニケーションの肝は
「伝えること」よりも「聞くこと」。
団体+個人総合+種目別
すべて勝って
はじめて「日本は勝った」。

竹内 洋輔

フィギュアスケート ソルトレークシティ五輪日本代表
足に3kgの重りを付けて
1秒足らずで4回転し
4mmの厚みのブレードで着氷する。
スピンやジャンプの回転は
右利きは反時計、左利きは時計回り。
ジャンプの踏み切りは「ブレーキ」。
ブレーキを踏むことで
エネルギーをジャンプ力に変換する。
フィギュアのジャンプは二通り。
ブレードのつま先で跳ぶトウジャンプと
エッジで跳ぶエッジジャンプ。
個人種目のシングルも
オリンピックはチームジャパンで戦う。
準備にかける労力をいとわない
日本人気質を最大限に活かす。

一ノ矢 充

高砂部屋マネージャー
相撲とは
相手の身体のバランスを崩す競技。
ケガの99%は
身体の使い方の間違いや
未熟さによるもの。
相撲は「腰」で取る。
相撲は「腰割り」に始まり
「腰割り」に終わる。
腰割りは
つま先とヒザの向きを揃える。
腰割りは「力まない」。

岡部 将和

ドリブルデザイナー
ドリブルのロジックは手品のタネ
テクニックは手さばき、動作。
絶対に勝てる間合いに
気づかれないように忍び込む
絶対に勝てる間合いに
必要なのは距離と角度。
ドリブルは相手の出方を待たず
積極的に自分から仕掛ける。
ドリブルは常に勝利からの逆算
抜いたら終わりではない。
何より重要なのは
仕掛ける勇気を持ってチャレンジすること。

神事 努

博士(体育学) /國學院大學人間開発学部健康体育学科 准教授
速度は結果、力は原因。
力が大きくなるフェーズに
より多くの指導言語を。
長嶋茂雄さんは
目に見えない情報=力感
を伝えるスペシャリスト。
わかりやすさ優先には弊害もある。
難しくても正しいことを。
スポーツ科学を理解すると
表現が豊かになり
選手の感覚を共有できるようになる。
ボールの「キレ」とは
「ギャップ」である。
人には
予測のプログラムが
備わっている。

尾崎 宏樹

博士(工学)/国立スポーツ科学センター(JISS)研究
強く蹴るには
助走をできるだけ速く
かつ急停止できるスピードで。
強く蹴るための
理想的なインパクトの位置は
足の甲の、重心を貫く一点。
足がボールと
接しているのは0.01秒
こすりあげる時間はない。
超一流選手は「感覚おばけ」
言語化されても真似できない。

西内 啓

統計家
データを活かすために
重要なのは「意思決定」。
サッカーの
中盤のボール奪取は
得点に直結する。
リーグ戦向きのチームと
トーナメント戦向きのチームは
特長が異なる
チームの総年俸よりも
一緒にプレーした期間の長さが
より大きく勝敗を左右する。

渡辺 啓太

日本スポーツアナリスト協会 代表理事
スポーツアナリストのミッションは
目的達成のため
チームや選手が情報面で
困ることがないようサポートすること。
スポーツアナリストはカーナビ。
より客観的な視点とデータをもって
選手に目的地への
最適なルートを示す。
何日徹夜しても
コートで活かされなければ
意味はない。
バレーボールの公式練習は
これから戦う相手に
リハーサルを見せているようなもの。

平野 加奈子

バドミントン日本代表アナリスト
コーチは何を
なぜ求めているかを適切に把握し
必要なデータを抽出して伝えること。
感覚だけでは喋らない。
数字だけだと
なぜその結果になったのか
正確に解釈できないこともある。
自分の意見を述べる時は
いつも映像とともに。

志田 宗大

野球日本代表 侍ジャパン スコアラー
「ひと言」は
スコアラーの最高の技術。
国際試合において
日本のセオリーは
セオリーではない。
国際試合で重要なのは
どこまで「バレているか」
を知ること。
勝利の女神は細部に宿る。

有吉 与志恵

コンディショニングトレーナー
カラダが歪むのは
自分に都合よく操作するから。
筋肉は鍛える前に「整える」。
第一の仕事は
カラダを元々あった状態に
リセットすること。
赤ちゃんは
誰に教わったわけでもなく
体幹をトレーニングしている。
体幹トレーニングは
胴体を使って
手足を効果的に動かす
操作性を高める。
トレーニングは科学
効果には理由がある。
知識→意識→無意識

田中 光

体操 アトランタ五輪日本代表
体操選手は
スポーツ選手であり芸術家でもある
アスリートとアーティストの二刀流。
音程が外れても
胸を打つ歌があるように
点数が伸びなくても
心に響く演技はある。
バク転は「怖い」から難しい。
美しいバク転の三大要素は
「ヒザの抜け」
「空中姿勢」
「起き上がり」。

武尊

K-1 WORLD GP スーパー・フェザー級王者
脳を揺らす「キレる」パンチ。
肝心なのはいかに力を抜けるか。
KOを生むには
危険な距離に入って
「事故」を起こす。
カウンターは
わざとスキを作って相手を誘う。
倒すか倒されるか
最後はメンタル。

末續 慎吾

パリ世界陸上200m銅メダル
美しい走りは人を引き寄せ
感動させる。
「速くなる走り方」は人類共通
一つしかない。
走りを極めれば
故障しなくなる。
走りにおける「良い姿勢」は
誰もが持っている。
走りとは大いなる矛盾。
競走しなければスピードは得られないが
他者を意識するとスピードは失われる。

伊藤 華英

競泳 北京・ロンドン五輪日本代表
泳ぎに必要なのは
何はなくとも「ストリームライン」。
「水をかく」のではなく
「水をつかむ」。
「集中する」とは
「視野を狭くする」こと。
競泳選手のメンタルタフネスとは
いかに自分自身を知り
どれだけ向き合えたか。
メンタルトレーニングは
精神的に弱い人のための
ものではない。

岩政 大樹

サッカー 南アフリカW杯日本代表
目的は「勝つこと」であって
「自分たちのサッカーをすること」
ではない。
「常勝」と呼ばれるチームは
「勝つこと」からブレない。
ゴールに目を奪われていては
サッカーは見えてこない。
「シュートコースを切る」とは
「障害物になる」こと。
滑ることが頑張ることではない。
サッカーの基本は「滑るな」。
「読み」は安易な選択。
ディフェンダーは
セオリーで準備して
判断して、対応する。
ディフェンダーを知ることは
サッカーを知ること。

平野 早矢香

卓球 ロンドン五輪団体銀メダル
表情や仕草から
相手の心を読む。
ボールを打ち合っていない
時間を制することで
勝負に勝つ。
相手のやりたいことを
あえてやらせる。
相手の攻めを利用して
得点につなげる。
卓球の「生きた球」は
自分の回転が残った球。
卓球のコートは平面ではなく
高さのある直方体。

安藤 秀

ゴルフA級ティーチングプロ/体育学博士
短い距離のパットは
フェースの向きが合っていれば入る。
短い距離のパットは
左右対称に外す練習をする。
パターは
「手を」まっすぐ引いて
まっすぐ出す。
ゴルフは止まっているボールを
動体視力で見る。
ボールは「LOOK」で見るな
「SEE」で見ろ。

古田 敦也

元東京ヤクルトスワローズ選手兼監督/スポーツコメンテーター
バッティングの指導は
「構え」「脇」「ハの字」を見る。
どんな打撃フォームにも
メリット・デメリットはある。
盗塁を刺せなければ
キャッチャーは信用されない。
送球を0.1秒短縮するには
「正確に」投げること。
リードの基本は
「意識させて裏をかく」。
良い指導者は「理由」がわかる。

鈴木 尚広

プロ野球 代走盗塁数歴代1位
表情や仕草から情報を得れば
左投手はかえって走りやすい。
盗塁は「傾向」と「対策」。
相手を知らなければ
受け身になるが
知ればそれだけで優位に立てる。
盗塁は捕手との勝負ではなく
投手との勝負。
ピッチャーを見すぎない。
スタートを切るとき
一瞬力を抜く。
盗塁の理想の走りは
上下動のない「動く歩道」。
スライディングは
膝を曲げた状態でアプローチする。

中西 哲生

スポーツジャーナリスト/サッカー解説者
コップが上を向いていなければ
水を注いでも入らない。
コップを上に向かせるには
気づきをもたらすことが必要だ。
決まる確率が高いのは
「お腹を見せない」シュート。
GKとの間にDFがいたほうが
シュートは決まりやすい。
サッカーがうまくなりたければ
片足で立て。
軸足で運ぶドリブルは
ボールが体から離れない。
なんとなくわかった気にさせるが
本質の解決には役立たないのが
「マジックワード」。